コンタクトレンズが原因で起きた眼科救急の実態

コンタクトレンズ装用による眼合併症のために、眼科救急診療施設を受診した患者さんについて、日本コンタクトレンズ学会は2005年にその実態と危険因子を調査しました(「コンタクトレンズによる眼科救急の実態」 日本コンタクトレンズ学会誌49巻:p.84-88,2007)。


対象としたのは眼科専門医が診療を担当する、全国の眼科救急診療施設のうち、アンケート調査協力に同意した10施設を、2005年12月1日から12月31日の間に受診した患者さんです。


調査期間中に眼科救急を受診した2,321例中、コンタクトレンズによる眼科救急は85例111眼、3.7%相当でした。このうち、担当医によって「矯正視力低下を残す可能性がある」と診断された重症例は26例、31%でした。これは、各眼科救急診療施設が担当する地域の人口から推算すると、日本全国で毎月226例の「矯正視力低下を残す可能性がある」コンタクトレンズ合併症が発生していることになります。


重症例と軽症例を比較すると、次のような統計的有意差が認められました。


  • 1.連続装用している使用者には重症例が多い(P=0.026)
  • 2.1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者には重症例が少ない(P<0.05)

また、同時期の日本全国のコンタクトレンズ種類別使用者数と比較した結果、次のような統計的有意差が認められました(グラフ参照)。


  • 1.ハードコンタクトレンズ使用者は、ソフトコンタクトレンズ使用者より眼科救急受診が少ない(P<0.001)
  • 2.1日使い捨てソフトコンタクトレンズ使用者は、他のソフトコンタクトレンズ使用者より眼科救急受診が少ない(P<0.01)
  • 3.従来型ソフトコンタクトレンズ(一枚を使い続けるレンズ)使用者は、他のソフトコンタクトレンズ使用者より眼科救急受診が多い(P<0.01)

グラフ

コンタクトレンズを安全に装用するためには、正しい装用方法と、適切なレンズ選択が必要です。